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あえて不便を楽しむ心を育てる「素数ものさし」

京都大学 限定 素数ものさしです

京都大学 限定 素数ものさし

素数とは、「1とその数でしか割ることの出来ない自然数」です。「素数ものさし」は、その名の通り2、3、5、7…といった素数の目盛りしかないものさし。画像を見ていただけばわかりますが17までは目盛がある。一体何のために作ったのだろう。

これを昨年3月から京都大キャンパスの生協などで販売したところ、使いにくさが逆に受けて一時売り切れになるほど人気を博したとのことなのだ。ここは文房具をライフワークにしている僕にとっても注目する存在だ。

全く無意味な文房具に思えるけど、実は奥深い考察がここにはあったのです。この「素数ものさし」の裏側にある物語をお聞きください。

効率を重視する時代は終わった。

京都大の川上浩司教授が代表を務める「不便益システム研究所」。これまで便利さの追求一辺倒だった発想を見直し、さまざまな観点から新しい人間社会のあり方を提案することを目指すグループだ。

川上教授は「効率を上げる、機能を充実させる、といったモノづくりを追求する時代は終わったと思う。一見、不便に思えることが実はプラスになっているという事例は多い」と語る。

身近なケースとしては、オートマチックの自動車よりマニュアル車の方が運転が楽しいとか、わざわざ手間ひまをかけてキャンプに出掛けたりすることが不便のいいところ、つまり?不便益?だという。

逆に便利になりすぎたモノによる弊害、いわば?便利害?もある。カーナビに頼るあまり、街の地図が頭に入らなかったり、膨大な枚数の写真を撮影できるデジカメだと深く考えずにシャッターを押したりしてしまう、といった現象だ。

「工夫の余地があることで楽しいと感じる一方、便利すぎると能力が衰えてしまう場合もある。昔から何となく言われていたことだが、それらをきちんと整理して社会のあり方を考えたい」とのことだ。

効率追求だけではいけないのか?

川上教授は「便利なモノが良いとはかぎらないことを理解してもらうきっかけになればうれしい」とした上で、「予想以上の人気で驚いたが、不便なだけに自分なりの使い方を見つける面白さがあると思う」と指摘している。

そういわれてみれば・・・僕たちは「効率」だけで文房具を選んでいないですよね。もっと言えば、そんな生き方をしていないですよね。工夫の余地があるものは楽しいし、不便さへの怒りは改善を生み出しますからね。

京都大学 限定 素数ものさし

京都大学 限定 素数ものさし

 

このなんとも言えない「素数ものさし」。

このほかにも、最初の設定で決めた通りの身ぶり手ぶりを再現しないと解除できないスマートフォンのロック画面アプリや、よく使うルートを通れば通るほどその道路が地図から消えていくカーナビが開発されているそうです。

確かに人生そういうものと上手に付き合うことも大事かもね!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。こういう話を聞いているうちに、僕の文房具ブログを読んでいることも決して無駄ではないという気分になってくるはずなので、今後もよろしくお願いしたいと思っております。末長く続けます。

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