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【文房具の穴】ノスタルジックな香りがする「赤青鉛筆」の世界に深く潜ってみる!

トンボ鉛筆 ippo! 丸つけ用赤青えんぴつ BCA-261 2本入

みなさん「赤青鉛筆」まだ使っていますか?僕は、時々タスクの消込を赤鉛筆に変えたりして、なるべく使うようにしています。特に赤色は力強い色なので消込に適していますよね。さらには、添削・採点は昔から赤を使うのが決まりですからね。

基本は丸型の赤青鉛筆を使ってますが、六角型も最近では容易に入手出来るアイテムになりましたので嬉しいですよね。(僕は最初六角型の赤青鉛筆を見た時に、とても感動したことを覚えています)長く愛されている文房具のひとつですよね。

こういう文房具を愛したり、大切にしたり、良さを伝えていくことも僕の大事な仕事だと思っているので、今日のテーマは「赤青鉛筆」にさせていただきます。歴史から思いまで、みなさんお付き合いくださいね。

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赤青鉛筆の歴史と色あいの理由

赤青鉛筆は訂正用鉛筆として作られたそうです。当時は鉛筆が主流でしたからね。大正3年(1914)発行の眞崎市川鉛筆株式会社(現・三菱鉛筆株式会社)の目録に「月星印朱藍色鉛筆」が紹介されており、当時は「朱藍色」と銘打たれています。

「朱藍」という呼び名に始まり、その後、大雑把に系統別けした呼び名として「赤青」が加わってきました。赤が朱色なのは、朱色が「赤」として長く使われていたためですね。

鉛筆が現れる前は長く墨書きが用いられ、墨の色は黒と朱の実質2色でした。古代中国には墨書や朱墨の跡があり、甲骨文字と併用されたことが分かっています。当時は天然鉱物の辰砂を原料に朱墨を作っていたのです。

この経緯から、日本や中国などにおいて「赤」とは、伝統的に朱色を指します「朱」の字を、常用外の訓読みで「あか」と読むのも、そのあらわれです。そして、朱印が今も使われるのと同様、朱色の鉛筆が赤鉛筆として用いられています。

現在でも、書き入れや訂正などをすることは「朱を入れる」「朱筆を加える」といい、訂正用鉛筆である赤鉛筆に朱色を用いるのは、ごく自然なことといえます。

一方で、青が紺青色なのは、赤青鉛筆が作られ始めた当時の技術の名残です。先述のように赤青鉛筆は、1914年にはありました。しかし現在(2012年)から約100年前の第一次世界大戦の頃ですから、色鉛筆で鮮やかな色を出すことが技術的に困難で、青に相当する色は紺青でした。この当時の紺青色のまま、今も作られているのです。

ところで、鉛筆はイギリスで原型となるものが初めて作られましたが、商品として製造し、輸出するようになったのはドイツです。日本国内では、三菱、トンボ、北星が圧倒的なシェアを持ちますが、世界的にはドイツのステッドラー、ファーバーカステルが老舗として認知されています。

また、紺青という色も、1704年にドイツのベルリンで発見されました。プルシャンブルーという英語の名前は、当時の国名プロシア(プロイセン)にちなみます。

第一次世界大戦まで鉛筆輸出国の筆頭で、しかも紺青色が発見されたドイツから、色と鉛筆製造の技術が合わせて日本に入った可能性があるのでは?という説もあるんですよ。

ちなみに、第二次大戦末期のドイツを描いた映画『ヒトラー最後の12日間』では、ヒトラーが赤鉛筆や赤青鉛筆を地図に投げつけ、部下に怒鳴るシーンがあります。ここで映る色鉛筆は、今の赤青鉛筆と同じです。

話が逸れましたが、この色の組み合わせが以後100年も定番の地位にあるのは、当時の色合いから変える必要がなかったからでしょう。なお海外では、赤の色合いは日本と同じく朱色(やや黄を帯びた赤色)ですが、青については、明るく淡い感じの色合いのものも見られます。 

 意外に使わない「青色」 

ここは文房具好きとして、あまり触れたくないのですが「青色」って使えてないですよね。「赤色」はすごい勢いで消耗していくのに「青色」はそのままなんてことありますよね。「青色」はどう使ったらいいのでしょうか?

実は青鉛筆は「印刷にうつらない」という特性を持っているそうです。ですから昔から「トーンの指定」は青色で・・・みたいな決まりがあって、出版業界では必須筆記具だったそうです。なるほど、そういう使い方をしていたのか!びっくりです。

僕たちも普段使う時には、訂正は「赤」指定は「青」みたいなルールを決めて使い分けると便利なんでしょうね。ここはもう少し考えてみますが、赤だけしか使えない男から脱皮するチャンスです。

やわらかなタッチは想像力の源

色鉛筆のやわらかなタッチは大好きです。そもそも鉛筆は筆記に対してトラブルの少ない最高の筆記具ですからね、インクが切れるとか、芯が折れるとか、起こりにくい安定した筆記具なのです。

さらに「赤」「青」も刺激的な色ですので、脳を活性化し、思考を広げてくれる手助けをしてくれること間違いなしです。文房具の本来の役割を果たしてくれていると言えますよね。

娘(高校三年生)のペンケースを覗くと、やっぱり「赤青鉛筆」が入っていました。嬉しいですね~ついでに鉛筆削りも一緒になって・・・この文房具はまだ当分生き残って僕たちを支えてくれると思います。間違いないです。

三菱鉛筆 色鉛筆 772 朱藍 5:5 六角 K772

三菱鉛筆 色鉛筆 772 朱藍 5:5 六角 K772

 

すいません、かなり長くなってしまいましたが「赤青鉛筆」の紹介を終わります。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。感謝です。

最後に、こんな「赤青鉛筆」が存在して伝播して使用していること自体が文化レベルの象徴だと思います。(おおげさかも知れませんが)とても幸せに感じます。これからも赤青鉛筆を見るたびに、幸せを噛みしめようと誓いました。

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